幸田圭史教授挨拶

 

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外科学教授・外科科長

幸田 圭史

こんにちは。外科学教授、外科科長の幸田です。

このホームページは私たち外科医局がどのような診療、研究、そして日常勤務をしているのかを紹介する目的で作られました。  

ここではまず、私個人が千葉県市原市で外科を行ってゆく上で心がけている点などを述べて挨拶にさせていただきます。

 

1、臨床面について
当院は全病床数517床、外科はそのうち47床を預かっております。
扱っている疾患は消化器外科と乳腺外科疾患で、緊急例の手術や検査も必要に応じて行っております。地元の診療所から紹介される予定手術の消化器癌、乳癌などの悪性腫瘍や、胆石、肛門疾患、ヘルニア、排便障害、炎症性腸疾患などの良性機能性疾患の検査と手術、および抗癌剤治療などを広く行っています。

また、突然来院される緊急例への対応も当番医師の順番でこなしています。当科に属する医師達はこれら多様な疾患概念や検査方法、実際の検査(内視鏡、レントゲン、さまざまな穿刺検査など)を経験し、これを習熟してきました。治療面では消化器内科とともに内視鏡診断や治療を外科医が積極的におこない、また手術では近年、腹腔鏡を用いた内視鏡外科が胃、大腸(結腸、直腸)、胆のう、ばかりではなく肝臓や膵臓、食道疾患にも適応を広げてきており、良好な治療成績を挙げています。
構成している医師達は現在8名で、大学病院としては小規模で行っております。大学病院の使命である教育、研究、そして診療をおこうには当院の場合、15人以上の医師数がいるとちょうどよく仕事が回ると思っていますので新しい先生の参画を希望しています。


2、仕事の基本について
医療、医学は厳しく行ってきましたし、これからも真摯に行ってゆきます。
土地柄、患者さんの中には普段から医療機関にかかったことがない、というような人も多く、一つの病気が見つかったときには他の重大疾患を併存して抱えていることがしばしばあります。
これらの合併症を抱えている患者さんを如何にトラブルなく退院まで治療するか、難しいですがわれわれも勉強になります。  深く掘り下げて考え、難しい疾患にどのように対応するのか、流れ作業でなく一人ひとりの患者さんを個々に大事にしたい、と思っております。
大学病院の最大の責務は教育であり、どこに出しても大丈夫な、その分野のリーダーとなり得る人材を数多く輩出することを大きな目標としています。 


3、研究について
外科医は臨床家がほとんどです。臨床を行っていく上でいろいろな調べ物などを行いますが、突き詰めれば突き詰めるほどに疑問点は多く出てきます。その疑問点に答えるべく新たに行うものが研究であると考えています。したがってそこには新奇性があり、これまでに行われてきたものの基礎知識が必要です。
私たちも癌の治療や、術後の機能障害などについて臨床研究や基礎実験をつづけており、常に英文での成果の発表を目指しています。診療および研究についての詳細はホームページの内容をご確認ください。

若い人は専門医をとるのも大事ですが、是非研究を行うべきと考えています。科学的なものの考え方なしにはよい臨床はできない、と考えているからです。また、このような難しいことをある時期、一生懸命やることは科学の壮大さに比べて自分自身を見つめることができますし、そういう行為は他人(患者さんを含めて)を思いやる心を養うもとになる、と考えています。

4、経済的支援について
世間一般には医師は高給取りと思われています。確かに状況によってはそういう医師もいるようです。
しかし残念ながら当科で仕事をするだけでは高給取りにはなれません。これは大学病院の宿命という考えもありますが、私は少し違った意見を持っています。
  しっかりとした仕事や大学病院にとって有益な仕事に対して報酬(感謝の印)をもらうのが正当だと思っています。給与を増やすことは私にはできませんが、医局としての支援として教室員が学会で発表する際には旅費、滞在費はたとえ海外であっても全額、研究費から捻出しようと思っています。必要な物品や書籍も同様です。研究費はわれわれの業績に対して獲得したもので、飲食には使えませんが、診療や研究のためには存分に使えますので仕事にかかる医局員の経済的負担をなるべく研究費から補助したいと思っております。   また、医局員には関連診療所などでの時間外勤務を推奨しており、結果的になんとか一般病院に負けない、経済的には困らない状況を作りたいと願っています。 正当に評価され、やる気が起こる大きなmotivationの一つは経済的に報酬(感謝の印し)をもらえることですから、これは医局として頑張って確保したいと思います。

5、今後の展望について
若い先生の大学離れ、が目立っています。技術を磨き机上の勉強を行って学会の認定医や専門医をとれば研究などしなくてもよし、とする風潮にあるからだと思います。外科離れも著しく、こんなリスクの大きく身入りの少ない科には入りたくない気持ちがあるのでしょう。地方離れも著しく大都市の病院では研修医の応募が定数より多いことが普通となっているのに比べて、地方の病院では研修医0人ということもまれではありません。医者も人間ですから、無用な苦労を避け、リスクを避け、子供の教育など文化的に整った都会で過ごしたいという気持ちはよくわかります。しかし、特に地方の外科医の減少による仕事量の増大、外科学を研究する医師の減少は将来の日本の外科医療にとって大変大きな問題で、地方での外科診療のレベル低下はすぐそこに来ています。日本から米国留学する人の数は韓国や中国から留学する人の半数です。
苦労して研究することをやめ、机上の勉強で他人の作った学問に追従するだけの現状維持の姿勢は近い将来、競争社会の中では現状後退を招くことになるでしょう。
研究をするためには特殊な機器、予算、助手の存在など条件があり、一般病院では難しいと思います。
若い人は一時期、是非大学病院での臨床、研究にいそしみ、機会があれば留学を経験してほしいと思っております。できればその才能を地域医療で発揮してもらいたいと望んでいます。

6、まとめ
 患者さんに命を預けていただく医師はしっかりとした基礎知識と技量が必要なのは言うまでもありません。
様々な人生を歩んできた患者さんに対して安心感を与え、納得していただけるような説得力のある説明ができる必要があります。 医局員とともに、より高いレベルの医療を目指して今後も切磋琢磨してゆく所存です。



 

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